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  ニュース     2020/04/07 18:59

中国:テレワーク市場争奪戦、国連会議にもツール提供 無料記事

 世界経済に大混乱をもたらしている新型コロナウイルスは、最新テクノロジーを駆使した新ビジネスの実戦投入を加速させている。感染対策として中国でも、以前は導入比率が低かったテレワークや遠隔授業が実需へと変化を遂げた。「新型コロナはテレワーク普及時期を5年繰り上げた」との見方も浮上するなか、在宅勤務やオンライン会議市場をめぐる中国IT企業の攻防戦も激しさを増している。工人日報が7日付で伝えた。

 国連本部は3月31日、国連創立75周年のイベント会場で騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)のデジタルソリューションを採用すると宣言。メッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」企業版「企業微信(WeChat Work)」や、クラウド会議アプリケーション国際版「騰訊会議(Tensent Meeting)」などの導入計画を打ち出した。

 19年12月25日にローンチした「騰訊会議」は、足元でアクティブユーザーが1000万人を突破。その国際版は、マレーシア、インド、日本を含む合計約100カ国・地域で開通した。

 中国の企業向けテレワーク支援コミュニケーションツールは、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)の「釘釘(DingTalk)」が先発優位を発揮。テンセントの「企業微信」がこれを追う構図だ。「騰訊会議」は、動画共有アプリ「抖音(TikTok)」で知られる字節跳動科技有限公司(Bytedance)のテレワーク向けクラウドサービス「飛書(Feishu)」や、華為技術有限公司(Huawei)の企業向けコラボレーションツール「WeLink」と並ぶ新興のサービスながら、スマートフォン1台で利用できる手軽さが魅力。デジタルコミュニケーションツール導入のハードルを大きく引き下げている。

 テレワークツールで世界的急躍進を遂げた企業は、ビデオ会議アプリを提供する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズだ。過去2年にわたり、倍増ペースで売り上げを拡大させてきた。19年4月に米ナスダック上場し、上場初日の時価総額は159億米ドル(約1兆7340億円)に膨れ上がっている。

 こうしたなか、中国IT企業も競うようにこの有望ビジネスを強化し始めた。テンセントが「騰訊会議」を配信スタートした翌日に、華為は「WeLink」の新サービスを発表するなど、IT企業間の競争は一段と過熱している。


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