ニュース 2020/02/05 18:59
アップル中国工場が10日操業再開へ、本格稼働には疑問符も
産業・企業
中国湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、IT端末大手アップルの主要サプライヤーが予定通り業務を再開できるかどうかに市場の注目が集まっている。スマートフォン端末「iPhone」を受託生産する台湾EMS(電子機器の受託製造サービス)大手の鴻海精密工業は4日、「2月10日から中国本土工場の操業を全面的に再開する目標を変えていない」と表明した。従来は3日から再開する予定だったが、中国政府が春節休暇を延長したことを受け、再開時期を1週間延ばしていた。操業再開時期は現在も、中央政府や地方政府の許可に左右される状態だ。
ただ、複数都市で事実上の“封鎖”が実施されるなか、ヒト(工場労働者)やモノ(原材料・部品)の移動が妨げられるのではないか――と本格稼働を疑う見方も根強い。消息筋情報によると、鴻海傘下の富士康(フォックスコン)の主力工場のうち、河南省(鄭州市)と広東省(深セン市)の生産拠点に関する懸念が特に大きいようだ。
4日付の複数台湾メディアによると、武漢市から北に約500キロメートル離れている鄭州市で現地政府はこの日(鴻海精密工業の声明後)、感染拡大を防ぐため、対象区内の政府機関や企業、住宅地区などに対し、“封閉式管理”を命じた。出入口を1つのみとし、出入りする際の身分証明書の提示や質問、検温を義務付けている。武漢市ほど制限が厳重ではないものの、すでに多くの都市が「“準”封鎖」的措置を導入済み。4日には、鄭州のほか、浙江省の杭州、楽清、寧波、江蘇省の南京、徐州、福建省の福州などで導入された。
鄭州の「iPhone」組立工場は中国で最大規模。94本の生産ラインを擁し、最大日産能力が50万台に上る。14〜15年の生産ピーク時には工場労働者数が35万人に達したこともある。5日付の日経アジアンレビューがiPhoneサプライチェーン幹部の話として伝えたところによると、操業を再開できたとしても労働力不足によって生産ペースの引き上げに苦労する可能性が高い。「現時点では十分な労働者を確保できていない。労働者を雇うことができるかどうかではなく、多数の交通規制があるなか、(帰郷した)彼らが故郷の街から出ることができるかどうかが問題だ」と述べている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
ただ、複数都市で事実上の“封鎖”が実施されるなか、ヒト(工場労働者)やモノ(原材料・部品)の移動が妨げられるのではないか――と本格稼働を疑う見方も根強い。消息筋情報によると、鴻海傘下の富士康(フォックスコン)の主力工場のうち、河南省(鄭州市)と広東省(深セン市)の生産拠点に関する懸念が特に大きいようだ。
4日付の複数台湾メディアによると、武漢市から北に約500キロメートル離れている鄭州市で現地政府はこの日(鴻海精密工業の声明後)、感染拡大を防ぐため、対象区内の政府機関や企業、住宅地区などに対し、“封閉式管理”を命じた。出入口を1つのみとし、出入りする際の身分証明書の提示や質問、検温を義務付けている。武漢市ほど制限が厳重ではないものの、すでに多くの都市が「“準”封鎖」的措置を導入済み。4日には、鄭州のほか、浙江省の杭州、楽清、寧波、江蘇省の南京、徐州、福建省の福州などで導入された。
鄭州の「iPhone」組立工場は中国で最大規模。94本の生産ラインを擁し、最大日産能力が50万台に上る。14〜15年の生産ピーク時には工場労働者数が35万人に達したこともある。5日付の日経アジアンレビューがiPhoneサプライチェーン幹部の話として伝えたところによると、操業を再開できたとしても労働力不足によって生産ペースの引き上げに苦労する可能性が高い。「現時点では十分な労働者を確保できていない。労働者を雇うことができるかどうかではなく、多数の交通規制があるなか、(帰郷した)彼らが故郷の街から出ることができるかどうかが問題だ」と述べている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。