ニュース 2020/08/26 19:30
アリババ系アントがIPO申請で業績開示、中間売り上げ1.1兆円
産業・企業
阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)傘下で、電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を展開するマ蟻科技集団(アント・グループ)が香港、上海同時上場に向けた申請を提出したことが分かった。これに伴い、香港証券取引所のウェブサイトで25日、仮目論見書が公表され、同社の詳細な業績が初めて明らかとなっている。それによると、直近2020年6月中間期の売上高は前年同期比38.0%増の725億2800万人民元(約1兆1160億円)、純利益は1459.7%増の212億3400万人民元。特殊要因を除く調整後(非GAAP)ベースでも、純利益は500.8%増の239億1200万人民元に膨らんだ。
売上高の内訳は、デジタル決済・マーチャントサービス部門が260億1100万人民元(前年同期比13.1%増)となり、全体の35.9%を占めた。同社はモバイル決済サービスで広く知られるが、同部門の売上構成比は縮小中だ(17年通期は54.9%、18年通期は51.8%、19年通期は43.0%)。半面、デジタルフィンテック・プラットフォーム部門の存在感が増しており、20年6月中間期の売上高は459億7200万人民元(前年同期比56.9%増)と、全体の63.4%を占めた。同部門では、「クレジットテック(消費者金融、小口融資)」「インベストメントテック(理財商品)」「インシュアテック(保険商品)」の3分野で技術プラットフォームを提供している。
ほか仮目論見書によると、「アリペイ」の年間アクティブユーザー数は10億人を突破。8000万超の店舗が「アリペイ」を決済手段として導入している。デジタル決済サービスの中国国内での取引総額は20年6月までの1年間で118兆人民元に達した。
一方、公開株式数などはまだ明らかにされていないが、同社はH株を発行する形での香港上場を予定。26日付の香港メディアによると、同社は9月末にも公募を開始する可能性があるという。調達額に関しては、中国メディアがこれ以前に「香港と上海で計300億米ドル(約3兆円)に達する見込み」と報じるなど、さまざまな情報が伝わっている。仮に300億米ドルだった場合、昨年12月に上場したサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコを上回り、世界で過去最大のIPOとなる(アラムコの調達額は294億米ドル)。
アント・グループは7月20日にIPO計画を発表し、香港と上海の両証券取引所に同時上場する方針を明らかにした。上海では、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」に上場する方針を示している。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
売上高の内訳は、デジタル決済・マーチャントサービス部門が260億1100万人民元(前年同期比13.1%増)となり、全体の35.9%を占めた。同社はモバイル決済サービスで広く知られるが、同部門の売上構成比は縮小中だ(17年通期は54.9%、18年通期は51.8%、19年通期は43.0%)。半面、デジタルフィンテック・プラットフォーム部門の存在感が増しており、20年6月中間期の売上高は459億7200万人民元(前年同期比56.9%増)と、全体の63.4%を占めた。同部門では、「クレジットテック(消費者金融、小口融資)」「インベストメントテック(理財商品)」「インシュアテック(保険商品)」の3分野で技術プラットフォームを提供している。
ほか仮目論見書によると、「アリペイ」の年間アクティブユーザー数は10億人を突破。8000万超の店舗が「アリペイ」を決済手段として導入している。デジタル決済サービスの中国国内での取引総額は20年6月までの1年間で118兆人民元に達した。
一方、公開株式数などはまだ明らかにされていないが、同社はH株を発行する形での香港上場を予定。26日付の香港メディアによると、同社は9月末にも公募を開始する可能性があるという。調達額に関しては、中国メディアがこれ以前に「香港と上海で計300億米ドル(約3兆円)に達する見込み」と報じるなど、さまざまな情報が伝わっている。仮に300億米ドルだった場合、昨年12月に上場したサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコを上回り、世界で過去最大のIPOとなる(アラムコの調達額は294億米ドル)。
アント・グループは7月20日にIPO計画を発表し、香港と上海の両証券取引所に同時上場する方針を明らかにした。上海では、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」に上場する方針を示している。
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