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  ニュース     2020/12/29 19:00

アントが持ち株会社設立か、金融事業は銀行同様の監督下に 無料記事

 阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)傘下の金融サービス会社、マ蟻集団(アント・グループ)は持ち株会社を設立し、その傘下に決済などの金融関連事業を組み入れるもようだ。同持ち株会社は銀行同様の監督下に置かれる可能性があり、最も収益性の高い部門の成長が制限される可能性があるという。外電が29日、消息筋情報として伝えた。
 報道によると、アントは決済、資産運用、消費者金融、保険などの金融関連事業を持ち株会社に組み入れることを検討中。一方、フードデルバリー、ホテル予約などのライフスタイル事業については、同持ち株会社から外す考えだ。ただ、計画はまだ検討段階で、変更される可能性がある。
 この再編が実施された場合、アントの成長は大幅に減速すると一部アナリストは指摘する。決済以外の事業のバリュエーションが最大で75%目減りする恐れもあるという。
 アントを巡っては、中国人民銀行(中央銀行)など金融当局が26日、ガバナンス体制の不備、市場地位を利用した同業他社の排除などの問題点を指摘。その上で、◆本業への回帰、◆規定を順守した個人信用情報業務の運営、◆金融持ち株会社の設立や資本の充足、◆当局の要求に基づいた融資、保険、資産運用業務の見直し、◆規定を順守した証券・ファンド業務の運営――の5点を要求した。
 アントの本業は決済サービスだが、近年は同部門の売上構成比が縮小(17年通期は54.9%、18年通期は51.8%、19年通期は43.0%)。半面、デジタルフィンテック・プラットフォーム部門の存在感が増しており、20年6月中間には売上高全体の63.4%を占めた。同部門では、「クレジットテック(消費者金融、小口融資)」「インベストメントテック(理財商品)」「インシュアテック(保険商品)」の3分野でプラットフォームを提供している。


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