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  ニュース     2021/06/22 19:00

中国:コロナで広東供給チェーン混乱、アマゾンセールにも影響 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】製造業が集積し、輸出の一大拠点でもある中国の広東省で、サプライチェーンの混乱が懸念されている。5月以降、新型コロナウイルスの新規感染者が相次いで確認される中、省内各地で厳格な防疫措置が実施されていることが背景だ。世界で最も忙しいコンテナ港の一つである深セン市塩田港では依然として混雑が続き、貨物の処理能力が大幅に低下。米アマゾンが21〜22日に行う会員向けセールイベント「プライムデー(prime day)」などへの影響を懸念する声も上がっている。台湾メディアの鉅亨網が21日伝えた。
 コロナ感染者が複数確認されたことを受け、塩田港では5月25日から30日まで輸出コンテナの受け入れを一時停止。同月31日に受け入れを一部再開したが、周辺港湾を含む混雑状況は続いている。海運大手のマースクによると、塩田港の処理能力は足元で通常時の45%程度にとどまる状況だ。塩田港の国際コンテナターミナルでは船舶の「沖待ち」が深刻化し、従来「半日」ほどだった接岸の待ち時間が「16日」程度まで延びているという。
 鉅亨網によると、こうした中で中国から製品を輸入するバイヤーの多くが物流の停滞に懸念を強めている。全米小売業協会(NRF)の幹部によると、会員企業1万6000社余りのうち3分の2以上が2〜3週間の貨物遅延に直面しているという。また、物流企業のフレイトス(Freightos)によれば、アマゾンで商品を販売する中小企業のうち、75%超がサプライチェーンの停滞に直面しているほか、約半数が貨物の遅延を強いられている状況。「プライムデー」向けの商品についても、貨物遅延による在庫ひっ迫が予想されている。
 なお、深セン宝安国際空港では先ごろ、空港内レストランの従業員が変異種「デルタ株」に感染していたことが判明。空港利用者に対する検疫が強化されている。また広東省の一大製造業拠点である東莞市でも「デルタ株」感染者が確認されており、21日から市内全域で大規模なPCR検査を開始。市当局は市外への不要不急の移動を控えるよう指示している。


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