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  ニュース     2021/02/22 19:00

中国:オンライン融資規制を強化、アントに一段の逆風も 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国は商業銀行によるオンライン融資規制を一段と強化する。中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)が20日、融資の規模や貸出金の構成比などについて新たなガイドラインを発表した。新規制は銀行によるオンライン融資の規模を抑制すると同時に、提携先プラットフォーマーの偏りを阻止する内容で、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)傘下の金融サービス会社、マ蟻集団(アント・グループ)にとって一段の逆風となる可能性が指摘されている。

 銀保監会は2020年7月、「商業銀行インターネット融資の管理暫定弁法」を発表。今回発表された新ガイドライン「商業銀行インターネット融資業務をさらに規範化するための通知」は、同弁法を補完するものだ。うち融資の規模については、商業銀行と全ての提携機関が共同で実行した貸出の残高に関し、当該銀行の貸出残高の50%を超えてはならないとする総量規制を実施する。また、貸出金の構成比に関しては、商業銀行と提携機関が共同で行う融資1件につき、提携先の資金提供比率が30%を下回ってはならないと定めた。

 このほか、事業エリアにも条件を設定。地方銀行がオンライン融資事業を展開する場合は、地元顧客に対してサービスを提供すべきで、地元以外での登記による事業展開を原則認めない方針としている。

 銀保監会は商業銀行に対し、7月17日までに融資の総量規制などを厳守するよう要求。貸出金の構成比と事業エリアに関しては、22年1月1日付で実施する構えで、既存業務に関してはそれまでに整理するよう求めている。

 なお、アント・グループによると、同社のオンライン融資残高は20年6月末時点で1兆7000億人民元(約27兆円)に上るが、これら融資のうちアントのバランスシートに計上されているのは約2%にとどまる。残り98%は提携先の銀行による貸し出しだ。新規定の30%が適用されると、アントに資本面で大きな圧力をもたらすと指摘されている。

 中国当局はオンライン融資市場に対する監督を強化中。銀保監会は20年11月、小口融資会社によるオンライン融資事業の監督・管理に関する新規定を発表した。


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