2020年10月末の広義通貨（M2）は前年同月比10.5％増の214兆9700億人民元（約3396兆5300億円）となり、伸びは9月から0.4ポイント鈍化している。狭義通貨（M1）は9.1％増の60兆9200億人民元に達し、9月から1.0ポイント伸びが高まった。流通貨幣（M0）は10.4％増の8兆1000億人民元で推移している。中国人民銀行が発表した。

　10月末の貸出（外貨建てを含む）は、12.8％増の176兆2600億人民元となり、伸び率は9月から変わらなかった。うち人民元建て貸出は12.9％増の170兆600億人民元、9月から0.1ポイント鈍化している。10月中の人民元貸出は純増額が6898億人民元に上り、昨年10月を285億人民元上回った。外貨建て貸出は15.6％増の9232億米ドルと人民元建てを上回って拡大している。

　10月末の社会融資残高は13.7％増の281兆2800億人民元に積み上がり、伸びは9月から0.2ポイント加速した。人民元貸出（実体経済部門向け）の伸びは9月の13.2％から13.3％に加速したこと、政府債券、非金融企業株式の伸び率が9月より高くなったことによる。

　銀行保険監督管理委員会によると、2020年1〜9月の銀行業の純利益は1兆5142億人民元にとどまり、前年同期比で8.3％減少した。1〜6月と比較し、減益率は1.1ポイント縮小している。預貸金利ざやは2.09％で、1〜6月と同じだったが、2019年1〜9月の2.19％を下回った。

　一方、今年9月末の銀行不良債権は2兆8350億人民元に達し、6月末から986億人民元増加している。不良債権比率は1.96％に上昇し、6月末から0.02ポイント悪化した。貸出損失準備金は5兆998億人民元で、6月末から1086億人民元増加している。不良債権カバー率は179.89％で推移した。6月末の182.4％よりやや低下している。


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