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  ニュース     2021/06/30 18:59

カンタツ中国子会社、華為グループ企業が買収 無料記事

 シャープ(6753/東証)は6月29日、傘下のレンズユニット生産企業、カンタツが中国子会社、連雲港康達智精密技術有限公司の全株式を遼寧中藍電子科技有限公司(ZET)に売却すると発表した。中藍電子は華為技術(ファーウェイ)グループの孫会社で、ボイスコイルモーター(VCM)中国最大手。カンタツ子会社の買収には、自社グループによる重要電子部品の生産強化を通じて米国の圧力に対抗するファーウェイの思惑があるとみられる。台湾・経済日報が6月30日報じた。
 中藍電子は、連雲港康達智の買収はレンズ業務の拡張が目的と説明。連雲港康達智はアップル(AAPL/NSADAQ)のiPhone向けレンズサプライヤーの1社で、買収によってアップルのサプライチェーン入りを果たす狙いだ。 
 連雲港康達智を巡っては、中国レンズ大手の舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー:2382/HK)か瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が買収するとの観測が出ていたため、中藍電子への売却決定には意外な結果との声が上がっている。シャープは今回、売却額を発表していないが、中藍電子が最高額を提示したもようだ。シャープ親会社の鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー:2317/TW)には、グループと中藍電子との間で事業の重複はないと判断があったとされる。
 中藍電子は昨年、ファーウェイ傘下のハイテク部門専門の投資会社、哈勃科技投資有限公司(ハブル・テクノロジー・インベストメント)から7.83%の出資を受けている。任正非・ファーウェイ最高経営責任者(CEO)は最近開かれたグループの座談会で、米国からの圧力への対抗手段として、重要部品を自社グループで生産する「国産化計画」を提示した。中藍電子による連雲港康達智の買収はこの戦略の一環とみられる。


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