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  ニュース     2020/11/18 19:59

中国:山西省大同が「FCV産業」振興、石炭から低コスト水素製造へ 無料記事

 産炭地の山西省・大同市が燃料電池自動車(FCV)産業の振興に乗り出している。“煤煙の都”と呼ばれた過去の汚名を返上し、“水素の都”に転身する戦略だ。潤沢な石炭資源を新エネルギー分野に活かす。中国政府系メディアが17日付で伝えた。

 概算312億トンの石炭確認埋蔵を擁する大同市は、年間生産量が約1億トンに上るものの鉱石品位は低く競争力に見劣りがある。こうしたなか、年間11万トンの石炭を利用する水素燃料生産プロジェクトが着工準備に入った。水素1立方メートルの生産コストは0.8人民元(約13円)と低く、天然ガス由来や電気分解よりも価格競争力が高まる見通しという。

 北京首航艾啓威節能技術股フン有限公司は今年1月、大同市に水素生産拠点3カ所以上、水素ステーション10〜20カ所、分散式水素エネルギー給電所3〜5カ所を整備する計画を打ち出した。

 大同市の郊外では、新研ケイ能源科技有限公司が水素燃料電池(FC)工場を4月に稼働させている。工場の敷地面積は165ムー(11ヘクタール)に及び、年産能力は自動車1万台分に定めた。

 投資額を28億人民元近くに設定した雄韜(002733/SZ)は、面積299ムーの工業団地「水素エネルギー産業園」を整備中。FCシステムの年産能力を5万台に設定した。 

 大同市では現在、FCバス50台、FC物流車22台が運行されている。山西省初の水素製造供給一体化ステーションも建設された。毎日の供給可能量は1000キログラムに上る。

 大同市政府は10月3日、「水素エネルギー産業発展規画(2020〜30年)」を公布。FCVを中核とする環境保護型産業の成長を促す方針を示した。

 中国政府主導で設立された中国水素エネルギー連盟は今年6月26日、「中国水素エネルギー・燃料電池産業白書」を発表。25年時点で年産額1兆人民元、FCV保有5万台、水素ステーション200カ所を目指す考えを示した。35年時点で年産額5兆人民元、FCV保有1500万台、水素ステーション1500カ所を想定している。50年時点で年産額が10兆人民元に拡大するとの長期見通しを明らかにした。


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