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  ニュース     2021/01/21 19:00

中国スマホSoC市場でクアルコム3位転落、台湾聯発が首位奪取 無料記事

【亜州ビジネス編集部】中国のスマートフォン向けシステムオンチップ(SoC)市場で、これまで最大手だったクアルコムが昨年に首位を逃したことが明らかになった。調査会社のCINNO Research(華商光電科技)によると、クアルコムの2020年出荷量は前年比48.1%減とほぼ半減(個数は不明)。市場シェアが19年下半期の37.9%から20年下半期に25.4%(前年同期比↓12.5ポイント)へ下落し、首位から3位に転落している。米トランプ政権による華為技術(ファーウェイ)に対する制裁などが響いたという。

 同チップの20年出荷量は、中国全体で20.8%減の3億700万個に縮小している。クアルコムに代わって20年下半期に首位を奪取したのは、19年下半期にシェア3位だった台湾の聯発科技(メディアテック)。OPPOやvivo、小米、華為など中国企業からの需要を取り込み、市場シェアを31.7%(前年同期比↑14.3ポイント)まで引き上げている。

 20年は同市場シェアの順位が目まぐるしく入れ替わった。19年下半期にシェア2位だった華為傘下の海思半導体(ハイシリコン)は20年上半期に市場シェアを37.0%まで引き上げ、いったん業界首位を奪ったものの、米国の制裁によって同下半期にシェアを27.2%(前年同期比↓7.8ポイント)まで低下させている(業界シェアは2位のまま、20年出荷量は17.5%減少)。

 中国スマホ向けチップ市場では、5G端末の出荷が増えつつあるなか、4G時代に「クアルコム一強」だった状況が変わりつつある。CINNO Researchによると、クアルコム、海思半導体、聯発科技の「三つ巴」の状況だ。ただ、クアルコムは昨年末に5G端末向けの新チップを発表。聯発科技に奪われたシェアの奪還に向けて準備を進めている。


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