【亜州ビジネス編集部】2021年2月末の広義通貨（M2）は前年同月比10.1％増の概算223兆6000億人民元に達し、伸びは1月の9.4％から0.7ポイント加速した。このうち狭義通貨（M1）は7.4％増の59兆3500億人民元で、伸びは1月の14.7％から鈍化している。流通中貨幣（M0）は4.2％増の9兆1900億人民元。1月の同3.9％減から増加に転じている。中国人民銀行が発表した。
　2月末の貸出（外貨建てを含む）は12.6％増の183兆6000億人民元で、伸びは1月から0.1ポイント拡大している。うち人民元建て貸出は12.9％増の177兆6800億人民元、伸びは1月から0.2ポイント拡大した。2月中の人民元貸出は1兆3600億人民元の純増となり、20年2月と比べて4529億人民元増えている。
　2月末の社会融資残高は13.3％増の291兆3600億人民元で、伸びは1月から0.3ポイント高まった。人民元建貸出(実体経済部門向け)が伸びを高めたほか、非金融企業株式が12.8％増と1月の12.5％増から加速した。一方、企業債券は15.1％増、政府債券は20.0％増で、伸びは1月をそろって下回っている。
　銀行保険監督管理委員会によれば、銀行業の純利益は、20年通年で1兆9392億人民元にとどまった。19年の1兆9932億人民元を2.7％下回っている。預貸金利ざやも19年の2.20％から20年の2.10％に縮小した。非金利収入比率も19年の21.93％から20年の21.04％に低下している。
　銀行の不良債権は2020年末時点で2兆7015億人民元に積み上がった。19年末から2880億人民元増加している。ただ、不良債権比率は2020年9月末の1.96％、19年末の1.86％、20年末の1.84％に低下した。不良債権処理が進み、20年通年の処理額は目標の3兆4000億人民元には届かなかったものの、3兆200億人民元に達した。


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