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  ニュース     2020/11/12 20:59

半導体企業の2020年買収取引額、過去最高の12.35兆円規模に 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】世界の半導体業界では今年、企業買収の取引額が10月末までに1171億米ドル(約12兆3500億円)まで拡大した。既に年度別で過去最高を更新している。台湾・蘋果日報が11日報じた。
 新型コロナウイルス影響で上半期はほとんど動きがなく、企業買収の取引額はわずか19億6500万米ドルに落ち込んだものの、7月以降に巨額買収が相次いでいる。
 7月13日、アナログIC世界2位の米アナログ・デバイセズ(ADI)が209億米ドルで7位米マキシム・インテグレーテッドの買収を発表。同業首位のテキサス・インスツルメント(TI)に挑む姿勢を鮮明にした。
 9月13日、米エヌビディアがソフトバンク・グループ傘下の英アームを400億米ドルで買収すると発表。半導体業界で過去最高の買収案件となった。
 10月28日、米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)がFPGA(演算回路を自由に書き換えられる半導体)最大手、米ザイリンクスの350億米ドルでの買収を発表した。
 10月29日、米マーベル・テクノロジー・グループが米インファイを100億米ドルで買収すると発表。インファイはデータセンター向け光学モジュール製品を手掛けており、マーベルは自社のクラウドコンピューティングや第5世代(5G)通信分野の展開にメリットがあると判断した。
 韓国のメモリー大手、SKハイニックスも10月、米インテルのNAND型フラッシュを含むメモリー事業と、中国大連NAND工場の90億米ドルでの買収を発表している。
 今年は新型コロナによって、在宅ワーク関連のパソコン、タブレット型端末、リモート会議関連の他、テレビ(TV)、ゲーム、音響機器も販売が上向いた。半導体業界の成長を後押ししている。
 業界の企業買収の取引額は、これまで2015年の1077億米ドルが最高だった。半導体企業が買収を進めるのは、好業績を背景に、技術力を補う目的とみられる。
 


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