毎年11月の「シングルデー（独身の日、双11）」商戦で、今年も意外な商品が人気化している。阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）が報告した天猫（Tモール）シングルデー注文予約初日（10月21日）の注文データでは、前年同期比で「ミニパワーショベル」の注文件数が150％増、注文台数が140％増を記録した。これらミニパワーショベルを製造するメーカーは、全体の9割が山東省産となっている。毎日経済新聞が10日付で伝えた。

　山東省西南部に位置する済寧市・任城区では、郊外に工場を構える山東岳工機械有限公司（SHANDONG YUEGONG MACHINERY）の生産設備がフル稼働体制に移行している。今年のシングルデー販売促進イベントについて、岳工機械は最終的な出荷台数が400台を超えると予想した。前年シングルデーの2.5倍を売り上げると想定。販売額は1600万〜1700万人民元（約2億5400万〜2億7000万円）に上るとの見方を示した。

　工場から直接出荷することで、中間マージンの削減、納期の短縮化を実現する。売れ筋商品の「月光17藍精霊」は、幅をわずか1.1メートルに抑えた。山菜・薬草・果樹園などの整備に利用されている。

　地方中小企業の岳工機械は、2012年の販売額が約200万人民元程度。15年からインターネットと実店舗の販売を両立し、売り上げが2000万人民元を超えた。18年には1億人民元の大台を突破。20年は年初来の販売額が足元までの累計で4億人民元を上回った。うち9割はインターネット通販に頼っているという。

　インターネット通販サイト「淘宝」でミニパワーショベル商品を検索したところ、販売台数上位の10社が山東省に集中していた。多数のメーカーは販売実績を三ケタ台に乗せている。主流の価格帯は、5000〜2万人民元と幅広い。


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