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  ニュース     2021/03/05 19:00

中国全人代で香港選挙制度の見直し審議へ、民主派排除 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国で5日開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、香港の選挙制度見直し案の審議が行われる。全人代の張業遂・報道官が4日の記者会見で明らかにした。香港政府トップの行政長官を決める選挙で、民主派排除の動きを強化する狙いとみられている。
 国営メディアの新華社によると、張報道官は記者会見で「香港の選挙制度を時代に合わせて改善する必要がある」とコメント。「愛国者による香港統治」という原則の下、健全な制度を構築する方針を示した。全人代は11日まで開催される予定で、同案は早ければ来週にも採択される見通し。
 香港メディアの明報などによると、具体的な内容としては、行政長官を選ぶ選挙委員会の定員数を現行の1200人から1500人に増やすほか、区議会(地方議会)議員枠117を削除する案が審議されるもよう。候補者が「愛国者」かどうかを審査する仕組みの導入もうわさされている。
 現行の選挙委員会1200人は、◆商工業・金融界300人、◆専門職分野(医師、弁護士など)300人、◆労働、社会奉仕、宗教など各界300人、◆立法会議員、区議会議員、香港地区全人代代表、香港地区政治協商会議代表など300人――で構成される。報道によると、新たに1つのカテゴリー(300人)を増設する形で選挙委員会の増員を行う見通しだ。
 過去2回の行政長官選挙では、親中派とされる梁振英(C・Y・リョン)氏、林鄭月娥(キャリー・ラム)氏の得票数がそれぞれ689票、777票と、選挙委員会1200人のうち5〜6割を占めるにとどまった。選挙制度の見直し後、新設カテゴリーは親中派が占める見込みで、これにより親中派の当選をより確実にする狙いとみられている。


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