【亜州ビジネス編集部】安徽省中部の国家レベル技術開発区でこのほど、炭化ケイ素（SiC）素材の生産工場が新たに着工された。新設された安徽微芯長江半導体材料有限公司が総額13億5000億人民元（約215億円）を投じる。銅陵経済技術開発区内に面積100ムー（約6.67ヘクタール）の工業用地を確保した。工場の建築面積は3万2000平方メートルに設定する。集微網などが26日までに伝えた。

　結晶成長装置、ウェーハ加工ライン、研究・開発センター、動力棟、補助工場などを整備する。2024年10月の全体完工を見込んだ。21年末から試験生産作業を展開し、3年間で生産能力に対する負荷を33％、37％、100％に引き上げていく。年産能力は4インチウェーハ3万枚、6インチウェーハ12万枚に設定した。生産ラインは4インチと6インチの両方に対応させる。

　全面稼働時の年産額は9億3000万人民元を想定した。省エネルギー、環境保護を重視する。将来は高品質なエピタキシャル・ウェーハ、パワー半導体デバイスの分野にも進出する可能性があるという。

　安徽微芯長江半導体材料は2020年10月28日、登録資本8億9000万人民元で合弁発足した。フェローテックホールディングス（6890/東証ジャスダック）傘下の上海申和熱磁電子有限公司（FTS）が事業プロジェクトを主導し、銅陵市国有資産監督管理委員会や複数の産業振興ファンドからも出資金を得ている。

　1980年9月に米フェローフルイディクスの子会社として日本に設立されたフルイディクス株式会社（旧社名）は、7年後の87年に米国親会社から独立し、92年には中国進出した。99年は米ナスダック上場の元親会社を友好的TOBで買収。2017年4月、フェローテックに社名変更した。上海市、銅陵市のほか、杭州市、銀川市などに現地拠点を配置している。


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