【亜州ビジネス編集部】香港政府トップの林鄭月娥（キャリー・ラム）行政長官は11日の定例記者会見で、東京五輪の香港でのテレビ放映権を購入すると発表した。電通グループ（4324/東証1部）と契約を締結したという。香港政府が五輪を含む大型スポーツイベントの放映権を購入するのはこれが初めて。2019年の大規模デモや昨年来の新型コロナウイルス禍で民間テレビ局の財政が悪化する中、政府自ら購入を決めた格好だ。複数の現地メディアが伝えた。

　香港政府は今後、民間テレビ局の電視広播（TVB：511/HK）、有線寬頻通訊（Iケーブル・コミュニケーションズ：1097/HK）傘下の有線電視と奇妙電視、ViuTV、NowTVに放映権を付与する方針。番組制作費は各テレビ局が負担すること、有料テレビ局は五輪中継を無料で放送することなどを条件とした。また、五輪前後の約1年間にわたり、特集番組を編成するなどして香港域内のスポーツ発展に貢献することを条件に、広告収入は各テレビ局に帰属することも認めた。

　なお、林鄭長官によると、東京五輪がコロナ流行の影響で中止になった場合、放映権使用料は全額払い戻しを受けるという。


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