中国家電大手のTCL電子HD（TCLエレクトロニクス・ホールディングス：1070/HK）は22日引け後、米当局による制裁措置の可能性を報じた一部メディアの報道を受け、「これまでに審査に関するいかなる通知も受け取っていない」とのコメントを発表した。また、同社が米国で販売しているテレビは、提携先であるロク（Roku）またはグーグル（Google）など米企業のオペレーション・システムを搭載していると説明。現地の法律・規定や安全基準を順守していると強調した。

　一部メディアの報道によると、米国土安全保障省のウルフ長官代行は21日、中国に対するさらなる制限を検討していると表明。その一環として、TCL電子などの動向を注視していることを明らかにした。ウルフ長官代行によると、TCL電子製のテレビにバックドアが組み込まれていることが今年に入って確認されたという。

　この報道に対してTCL電子は、同社がプライバシー保護やデータセキュリティの問題を重視していることに言及。これらの問題に配慮した自社製品こそ、グループ競争力の一端を担っていると説明した。

　TCL電子は液晶テレビ、AV機器を生産。テレビの生産台数は、12年に中国メーカーで初めて1500万台を超えた。「TCL」ブランドはベトナム、フィリピンなど東南アジアでも広く浸透している。群智諮詢の統計によると、液晶テレビの世界販売シェアは11.3％で3位（20年7〜9月期）。


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