【亜州ビジネス編集部】米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア（RFA）によると、映画「ノマドランド」で中国出身のクロエ・ジャオ監督が米アカデミー賞の作品賞と監督賞を受賞したニュースが26日現在、中国のインターネット上で閲覧できない状態になっている。ジャオ監督がかつて、「中国はうそであふれた国」などと発言したことが問題視されているようだ。
　ジャオ監督は米専門誌「フィルムメーカー」の取材に対し、「子どものころ、得られる情報はみな正確ではなかった。私は自身の家族や背景に非常に反発するようになった。英国に行き初めて歴史を学び、情報で自身を武装した」と語っている。
　ジャオ監督はまた、米サンタバーバラ国際映画祭で「何年かたてば、自分が子どものころの経験をようやくスクリーンに持ってこられるだろう」とも語っている。
　ジャオ監督が2月末、米ゴールデングローブ賞の作品賞と監督賞を受賞した際、中国政府系メディアは「中国の誇り」と賞賛していた。ところが、ジャオ監督の発言が伝わると「中国を侮辱している」との批判が巻き起こり、4月23日に予定されていた「ノマドランド」の中国公開も中止になった。
　ジャオ監督は1982年生まれの39歳。父親は中国の鉄鋼大手、首都鋼鉄の元総経理、継母は元女優だ。14歳で英国の寄宿学校に入り、米マウント・ホリオーク大学を経て、ニューヨーク大学・ティッシュ芸術学部で学んだ。


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