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  ニュース     2020/09/29 19:00

ZTEがサプライチェーン見直し、IC後工程を台湾企業に変更 無料記事

 中国の通信機器・設備メーカー大手、中興通訊(ZTE:763/HK)がサプライチェーンの見直しに着手したもようだ。第5世代(5G)移動通信ネットワーク基地局向け半導体の後工程企業について、米アムコー・テクノロジーから台湾のセキ格(シグルド・マイクロエレクトロニクス:6257/TW)に大部分の注文を移行したという。米国が華為技術(ファーウェイ)への締め付けを強化する中、ZTEもリスク回避に動き出したとみられている。台湾メディアが28日伝えた。
 またZTEにとっては、競合先のファーウェイが部品調達で苦戦する中、市場シェアを一気に拡大したいという思惑もあるようだ。中国の5G基地局市場では、ファーウェイがシェア50%、ZTEが同30%を握る。
 ファーウェイを巡っては、米商務省による半導体輸出規制が9月15日に発効。米国の技術を使って生産された半導体をファーウェイに供給することが事実上禁止された。また、米メディアは26日、トランプ政権がICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)に対し、輸出規制を実施すると報じている。
 こうした中、中国は「半導体の国産化」を急ぐ考えだが、技術面での遅れもあり、その実現は容易ではない。当面は米企業との取引を減らし、台湾企業との提携が拡大するとみられている。
 ZTEは自主ブランドの各種通信機器、端末を生産。中国移動、中国聯通、中国電信など、国内通信キャリアを大口顧客に持つ。新事業開拓にも意欲。2014年9月、東風汽車グループと提携し、EVバス向けワイヤレス充電の実用化を目指すと発表。16年7月には、子会社の中興智能汽車(ZTEスマートオート)を通じ、広東省に拠点を置くEVバスメーカーの珠海広通客車を買収した。


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