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  ニュース     2020/09/29 19:00

BYD新モデル「漢」が好調、供給追い付かず納車待ち 無料記事

 中国の充電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD:1211/HK)の新型セダン「漢」が好調だ。歴代王朝の名前を冠した「王朝シリーズ」の最新モデルで、7月12日に電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の2モデルの販売を開始。うちEVの販売台数は8月に2400台に達し、発売初月(1205台)の2倍に膨らんだ。生産が供給に追い付いておらず、納車待ちの長い列ができているという。複数メディアが29日までに伝えた。
 BYDによると、「漢」の予約数は発売前の時点ですでに3万台を突破。ただ、同モデルに搭載される「刀片電池(ブレード・バッテリー)」の生産能力の問題もあり、納車が進んでいないという。同社は「刀片電池」の増産を急ぎ、2020年末までに重慶工場で生産ライン8本を増設する計画。年産能力を20ギガワット時(GWh)以上に拡大する構えだ。
 「漢」シリーズは、BYDが自主開発した車載バッテリー「刀片電池」を搭載する初のモデル。同社は今年3月、「刀片電池」の量産を開始した。「刀片電池」はリン酸鉄系(LFP)電池で、「コバルトフリー電池」の一種。セルの形が刀に似ていることから、こう名付けられた。単体のエネルギー密度では三元系電池に及ばないものの、コストが低く、安全性が高く、寿命が長いという特長を持つ。
 「漢」の好調はBYDの新車販売回復を後押しする見通しだ。クレディ・スイスは最新リポートで、「漢」の販売数が9月に6000台、10月に8000台に達し、11〜12月はさらに増加すると予想している。なお、BYDが発表した最新データによると、今年8月の新車販売台数は前年同期比2.1%増の3万6782台、1〜8月の累計では23.1%減の22万6792台だった。
 二次電池メーカーとして発足した後、BYDは携帯端末の組立、自動車の生産に参入。小型ガソリン車のほか、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)を生産する。09年5月にVW、10年3月にダイムラーと業務提携。携帯端末事業では、比亜迪電子(285/HK)を傘下に置く。米投資家バフェット氏が長期株主に。08年に同氏の投資会社バークシャー・ハサウェイの子会社が出資した。新規事業。16年にモノレール事業への参入を発表。国内外の複数都市で建設を進めている。


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