【亜州ビジネス編集部】全国工業企業の利益総額は2020年12月、前年同月比20.1％増の7071億1000万人民元（約11兆3480億円）に伸びた。プラス成長は8カ月連続。増加率は前月の15.5％から4.6ポイント加速している。20年通年では、前年比4.1％増の6兆4516億1000万人民元だった。中国国家統計局が27日に報告した。

　新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、全国工業企業の利益総額は20年1〜3月期に前年同期比36.7％減と大きく縮小。ただ、その後の流行鎮静化や景気対策の効果を受け、4〜6月期には4.8％増とプラス成長に転じた。7〜9月期は15.9％増、10〜12月期は20.8％増と徐々に伸びが加速している。

　経営形態別では、国有企業・国有持株会社の20年利益が2.9％減の1兆4860億8000万人民元、株式制企業が3.4％増の4兆5445億3000万人民元、外資系企業（香港・台湾・マカオ資本を含む）が7.0％増の1兆8234億1000万人民元、私営企業が3.1％増の2兆261億8000万人民元で推移した。

　業界別では、41種のうち26種で増益、15種で減益。増益業界では、専用設備製造が24.4％、コンピューター・通信・その他電子設備製造が17.2％、汎用設備製造が13.0％などと高い伸びを示している。また、自動車製造が4.0％増とプラス成長を維持した。半面、石油・天然ガス採掘が83.2％、石油・石炭・その他燃料加工が26.5％、石炭採掘・選炭が21.1％ずつ減少している。

　このほか、コロナ情勢の鎮静化に伴って赤字企業も減少。一定規模以上の工業企業に占める赤字企業の比率は20年12月末時点で17.3％となり、3月末の37.8％から17.5ポイント低下した。


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