中国で毎年11月に行われるネット通販セール「シングルデー（独身の日、双11）」で、今年も「天猫（Tモール）」の善戦が目立った。11月1日から11日午前零時までの取引台数は、あくまで購入予約ながら合計33万台を超えている。1300万人以上の消費者が自動車購入ページを閲覧した。完成車メーカーと仕掛けたシンプルな販売促進戦略が奏功している。中国情報サイトの「36Kr」が11日に伝えた。
阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）傘下の天猫は10月26日、50ブランド以上の自動車企業と総額100億人民元（約1590億円）規模に上る購入補助の販促キャンペーンを展開すると宣言。1人民元の費用でキャンペーン参加資格を得れば、実店舗で値引き購入できるという取り組みを打ち出した。
　まず先に1人民元を支払った消費者は、実店舗で自動車商品の頭金を支払う。60日内にオンラインで残額を納めれば実際に購入できるという仕組み。複雑な計算やシステムを考案したライバルサイトに比べ、大きな販売実績を積み上げた。
　1元を支払う販促キャンペーンの売れ筋新車は、上からキャデラック「XT6」、ビュイック「VELITE 6」、シボレー「メンロー」の順。今年初参加した小鵬汽車（Xpeng Motors：XPEV/NYSE）も成約を積み上げた。受注数は1万8000台を超えている。キャデラック「XT6」では、消費者は5000人民元の値引きサービスが受けられる。
　このほか天猫は、従来型の電子値引き券も発行した。東風シトロエン、北京ヒュンダイ、比亜迪(BYD：1211/HK)がこの手法を採用している。BYDなどの場合、頭金を1000人民元に設定。これを実店舗で使用すると、車両購入価格が2111人民元優遇されるというシステムだ。


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