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  ニュース     2021/05/14 19:05

アリババ1〜3月期に上場来初の赤転、独禁法罰金182億元が痛手(詳報) 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が13日引け後に発表した第4四半期(2021年1〜3月)決算は、売上高が前年同期比64%増の1873億8500万人民元(約3兆1790億円)に拡大したものの、純損益が54億7900万人民元の赤字に転落した(希薄化後EPS:-0.25人民元)。前年同期は31億6200万人民元の黒字。中国当局から「独占禁止法」違反で過去最大規模となる182億2800万人民元の罰金を科されたことが痛手となった。四半期ベースでの赤字転落は14年のニューヨーク上場以来で初めてだ。
 同罰金など特殊要因を除く調整後の純損益(非GAAP)は262億1600万人民元の黒字(希薄化後EPS:1.29人民元)。前年同期比で18%増益だった。
 売上高の増加については、中国小売事業、物流サービス「菜鳥(ツァイニャオ)」事業、クラウドコンピューティング事業の貢献が大きい。また、ハイパーマーケットチェーンの高キン零售(サンアート・リテール・グループ:6808/HK)を買収したことも寄与した。同買収の影響を除くと、増収率は40%となる。
 部門別の売上高は、主力のコアコマースが72%増の1613億6500万人民元に拡大。うちEコマースサイトの「淘宝網(タオバオ)」や「天猫(Tモール)」を含む中国小売事業が74%増の1232億1300万人民元と堅調だった。都市部以外のエリアを積極的に開拓したことなどが奏功し、同事業のGMV(取引総額)は7兆4940億人民元に拡大。特に消費財の伸びが目立った。前出の「天猫」では、GMVが前年同期から26%増加している。また、物流サービスの「菜鳥(ツァイニャオ)」事業は売上高が101%増の99億5900万人民元と大幅な伸び。新型コロナウイルス禍で大きな影響を受けた前年同期の反動が大きかったほか、受注数や単価の上昇も寄与した。
 ほか「阿里雲(アリババ・クラウド)」を擁するクラウド部門は、売上高が37%増の167億6100万人民元に伸長。他部門も軒並み増収で、デジタルメディア・エンターテイメント部門(優酷土豆、アリババ・ミュージックなど)が12%増の80億4700万人民元、イノベーションイニシアチブ・その他(オートナビ、AliOSなど)が18%増の12億2200万人民元を売り上げた。
 21年3月通期の業績は、売上高が前年比41%増の7172億8900万人民元、純利益が1%増の1503億800万人民元(希薄化後EPS:6.84人民元)という結果。グループ全体の年間アクティブ購入者は10億人の大台に乗せ、うち中国コアコマース事業が8億1100万人を数えた。グループ全体のGMVは8兆1190億人民元だった。
 22年3月期の売上高は9300億人民元超を見込む。前年実績比で30%以上の増収となる見通しだ。


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