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  ニュース     2020/10/28 19:59

中国:上汽VWの新エネ車工場が稼働、SUV「ID.4X」ラインオフ 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】上汽大衆汽車(上汽VW:独フォルクスワーゲンと上海汽車集団の合弁)の新エネルギー車(NEV)工場が27日付で正式に稼働した。生産第1号車となるVWの電動クロスオーバーSUV「ID.4X」がラインオフし、「メイド・イン・シャンハイ(上海制造)」に新たな1ページが加わった。中国新聞網が27日付で報じた。

 総額170億人民元超(約2642億円)を投じて、新工場は上海市の嘉定区安亭鎮に建設された。敷地面積は40万5600平方メートル、年産能力は30万台。VWグループが次世代の電動車用に開発したモジュラープラットフォーム「MEB(Modular Electric Platform)」を採用したモデルの生産に特化した工場で、同グループとしては世界初となる。最先端の自動化、デジタル化、省エネ・環境保護の生産技術を採用しており、VWの「インテリジェント工場」の世界的なベンチマークと称される。

 新工場での「ID.4X」生産について、上汽VWの責任者は「インテリジェントな製造、デジタル管理、全プロセスの環境への配慮を前例のない高度な水準に引き上げた」と述べた。

 さらに上汽VWはデジタルエンパワーメントを通じた「未来の自動車生産方式」の全面的な改革にも着手しているという。自動化生産を基礎として、新工場は「モノのインターネット(IoT)」、「工業クラウド」などの相互接続技術を融合。製造工程における「ビッグデータ」を適格に収集し、リアルタイムで共有することで、設計から生産、販売までのインターコミュニケーションを実現。ビジネスチェーン全体のインテリジェントな管理プラットフォームを構築している。

 上海市は将来的に世界的なNEV生産拠点への成長を目指す。世界全体のNEV販売数は2019年に約220万台。このデータを踏まえて、上汽VWの新工場における年産能力は30万台、これにテスラ上海工場の25万台を合わせた場合、上海が世界的な影響力を持つNEV産業の生産・イノベーション拠点になると前述の責任者は期待している。

 一方、新型コロナウイルスの流行によるマイナストレンドのなか、上海市では「メイド・イン・シャンハイ」が新たな経済の回復エンジンとなっている。上海の製造業は4〜9月にかけて、6カ月連続でプラス成長を達成した。また1〜9月の製造業投資は18.7%増加。なかでも大型プロジェクトの投資に対する引き合いが目立つ。NEV大型プロジェクトへの投資は20%余り増加している。


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