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  ニュース     2020/11/16 19:00

中国新興EV前途汽車が経営難、北京店舗を閉鎖 無料記事

 前途汽車有限公司(QIANTU MOTOR)の経営難が深刻化している。2015年2月に発足し、新エネルギー自動車(NEV)の量産モデル「K50」を投入したものの、直近2年近く販売の低迷が続いていた。18年4月20日に北京市朝陽区の三里屯で開業した体験型店舗1カ所目拠点も足元で閉鎖されている。金港汽車公園の体験型店舗、納車センターも機能していない。北京商報が13日付で伝えた。

 北京長城華冠汽車科学技術有限公司の全額出資で設立された同社は、当初から前途の多難が予想されていたという。アルミ合金フレームの採用、エクステリアパーツの炭素繊維化学を通じ、車体重量の大幅な軽減を実現したものの、高い価格設定が受け入れられなかった。中国政府の補助金政策変更も重し。18年から北京市、上海市、広州市、蘇州市、成都市に実店舗を相次ぎ開設したが、資金切り難に直面した。北京市の三里屯、金港汽車公園に構える店舗2カ所も撤収を余儀なくされている。

 純電気自動車の量産車「K50」は、18年8月8日に出荷を開始した。後続可能距離は365キロメートルで定価は75万4300人民元(約1200万円)。購入補助を踏まえた価格も68万6800人民元に達した。年産能力を5万台に設定したものの、販売実績は累計でも200台を下回っている。

 親会社の長城華冠は03年に創業し、15年9月に店頭株式市場「新三板」で株式公開が業績不振にあえいでいた。各年の損失額は、15年が2200万人民元、16年が9800万人民元、17年が2億2600万人民元、18年が6億600万人民元。18年4月19日には新三板で上場廃止となっている。

 5回の資金調達で21億2000万人民元を集めたものの、自動車製造分野に投じた20億人民元は、19年9月までに全額を使い果たしていた。19年に社員の大量採用に踏み切り、当初の600人あまりから2000人以上に拡大したが、足元の従業員数は約1440人にまで減少している。


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