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  ニュース     2021/01/05 19:00

アリババ馬氏の行方に海外メディア注目、2カ月余り姿見せず 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国の電子商取引(Eコマース)最大手、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)の創業者である馬雲(ジャック・マー)氏の行方に海外メディアが注目している。馬氏は昨年10月末に上海で開かれた金融フォーラムに参加して以来、2カ月以上、公の場に姿を見せていない。中国当局による「アリババ叩き」が激しさを増しているだけに、今後の動きが注目されるところだ。
 英メディアの報道(3日付)によると、馬氏は自身の財団がスポンサーを務めるアフリカのテレビ番組「アフリカズ・ビジネス・ヒーローズ」の最終回(11月)に登場しなかった。同番組公式サイトの審査員のページからも、馬氏の画像が削除されたという。一部メディアは、馬氏が同番組を降板になったと報じている。
 アリババの広報担当者はメディアの取材に対し、「出演中止は日程が合わなかったため」と説明した。ただ、馬氏はこれ以前のツイッター投稿で「(同番組の)ファイナリストたちと会える日を楽しみにしている」と述べており、一部メディアは広報担当者のコメントを疑問視している。なお、馬氏のツイッターは10月10日を最後に更新されていない。
 馬氏を巡っては、前述の金融フォーラムでの発言が習近平・国家主席の「怒りを買った」と報じるメディアもある。同フォーラムには、習主席の腹心とされる王岐山・副主席も出席。王副主席に続いて講演を行った馬氏は「中国にシステミックな金融リスクはない。なぜなら中国の金融には基本的にシステムが存在しないからだ」「良いイノベーションは監督管理を恐れない。ただ、古い方式の監督管理を恐れる」「バーゼル合意は老人クラブのようなもの」などと発言。政府による厳しい規制がイノベーションを抑制していると批判した。
 その後、アリババ傘下の金融サービス会社、マ蟻集団(アント・グループ)の新規株式公開(IPO)が上場日間際に急きょ中止された。習主席はアントのIPOがもたらすリスクを調査するよう、当局に指示したと報じられている。


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