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  ニュース     2021/06/29 19:00

中国:「福島県産モモ使用」表記で物議、農夫山泉が声明 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】農夫山泉(ノンフー・スプリング:9633/HK)が新商品の炭酸飲料に、「福島県産の桃を使用した」と表記したとして、「放射能汚染がある原材料なのでは」との指摘が騒動に発展した。すでに同社は「日本から輸入した原材料は使用していない」と声明を発表している。27日付中新経緯など複数の中国メディアが伝えた。
 問題となった炭酸飲料「蘇打汽泡水」は、「『拂暁白桃』の風味」と説明している。宣伝では「福島産の“AKAKUTI”(原文ママ)桃」を使用していると表記。スーパーなどの小売店で大々的な販促キャンペーンを打っていた。しかし、これについて一部メディアが「原発の放射能汚染があった福島県の桃を使用している」との疑惑を指摘し、ネットユーザーの間で騒ぎが広がったという。
 ミネラルウォーター中国大手の農夫山泉はその後、「新商品には福島産の桃を由来とする成分を全面的に使用していない。成分表示は合法」との声明を発表。研究開発によって生み出した独自の風味だと説明するなど、速やかな“火消し”に尽力した。生産工場のある浙江省建徳市の市場監督管理局も、生産現場を検査し、福島産の桃を購入した実績がない事実を確認している。
 ただ、原材料に使用していない福島産の桃を全面に押し出したことで「虚偽宣伝に相当する」との見方も新たに浮上した。「消費者に日本からの輸入品のように誤認させ、舶来の高級品に見せかけた」との声や、メーカー側が宣伝内容については謝罪せず、逆に指摘したメディアを責め立てる姿に疑問の声も上がっている。
 中国の海関総署(税関)によると、2019年4月時点で日本から輸入できる生の果物はりんご、なしのみ。20年3月時点でも福島県の食用農産品は輸入が禁止されている。


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