【亜州ビジネス編集部】中国各地で新型コロナウイルスワクチンの接種が加速している。中央政府は接種が自発的に行われているとし、法律にも強制する定めはないが、地方政府の多くが企業・団体や学校に全員接種を強制しているといい、一部で反発を招いている。台湾メディアの中央通信社が3月30日に伝えた。

　中国政府の発表によると、1日当たりのワクチン接種能力は1000万回で世界最大。29日までの接種者は1億1096万2000人、29日はこの日だけで434万9000人を数えた。地方政府の中には、接種率95％などと数値目標を掲げ、企業や団体に達成を命じているところもあるという。

　中国のSNSでは次々にワクチンの強制接種の実例が紹介されたり、当局の命令文が転載されるなどしている。SNSによると、各地の大学では表向き、接種は自発的に行われているが、接種しないと学生の父母が大学側から催促されるという。接種しない職員の出勤を事実上禁止している企業もあるようだ。

　さらに、一部の企業や団体は女性職員に対し、妊娠を接種後に伸ばすよう要求しているとの情報も流れている。授乳期の女性についても、授乳開始から1年以上なら面談で接種を求められ、すぐに接種しなければ配置転換すると迫るケースもあったという。


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