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  ニュース     2020/12/21 20:59

アリババ馬氏、中国当局にアント一部譲渡を提案か 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】電子商取引(Eコマース)の中国最大手、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)の創業者である馬雲(ジャック・マー)氏が11月の時点で、中国当局に対し、傘下の金融サービス会社、マ蟻科技集団(アント・グループ)の一部譲渡を提案していたことが分かった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が20日、消息筋情報として報じたもの。アントの新規株式公開(IPO)を実現するため、馬氏は譲渡を提案したが、IPOは結局中止されている。
 アントは上場2日前の11月3日、IPOの延期を発表した。馬氏はその直前に当たる11月2日に当局担当者と会議を行い、「国が必要とするのであれば、アントが持つプラットフォームのどれを譲ってもいい」と述べたという。しかし、馬氏はIPO中止を阻止することができず、中国当局はその後、国内インターネット企業への監督を強化している。
 消息筋によると、当局は馬氏の提案に応じるかどうか決定していない。現時点では、アントに対する資本規制の強化などが検討されているようだ。
 アントの突然のIPO延期を巡っては、市場ではさまざまな観測が浮上している。香港紙の明報は、馬氏が今年10月に行った講演の内容が“引き金”となった可能性を指摘。馬氏はある金融フォーラムで、習近平国家主席の腹心とされる王岐山副主席の後に講演し、当局批判と受け止められる発言を行ったという。
 アリババは世界トップクラスのEコマース企業。1999年に馬氏が設立した(19年9月に会長引退)。「淘宝網」や「天猫」など個人向けECサイトを運営するほか、越境ECの「天猫国際」、BtoBの「1688.com」も展開。EC以外では、宅配スーパー「盒馬」、フードデリバリー「餓了麼」、動画ストリーミング「優酷」、クラウドサービス「阿里雲」などを傘下に擁する。海外事業では、16年に東南ア同業のラザダを買収している。


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