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  ニュース     2021/08/26 19:00

中国:水素ビジネス参入宣言の海馬汽車、海南省で事業推進へ 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】第一汽車傘下で海南省海口市に本拠を置く自動車メーカーの海馬汽車集団(Haima Motor:000572/SZ)に関し、業績好転の期待感が先行している。キーワードは「水素」だ。今年上半期の業績動向は、売上高が前年同期比48.35%増の9億2600万人民元(約157億円)に拡大。赤字幅は8303万7000人民元と52.02%も縮小した。規模は小さいものの、上半期の新車販売は、153.39%増の概算1万6500台に上っている。中国経済網が25日付で伝えた。
 自動車生産は売上高全体の84.37%(7億8100万人民元)を占める主力事業ながら、上半期は小鵬ブランド1万1200台を受託生産。これは生産全体の67.95%を占める規模だ。受託生産を除いた場合、わずか5300台に過ぎない現状がある。また、今後の先細りも必至だ。
 小鵬汽車は広東省肇慶市に自社工場を設置済み。湖北省武漢市の自動車生産プロジェクトについても、武漢技術開発区で8月2日に正式着工している。小鵬ブランド車の受託生産業務は、2021年末までに満了する見込みだ。
 一方、海馬汽車は水素ビジネス参入を宣言。今年4月10日、中国航天科技集団有限公司101研究所と戦略提携を組んだと発表した。海南省に水素製造所と高圧ガスステーションを一体化した第1号施設を置くと説明。10月末までの完工・稼働を目指すと報告した。
 さらに海馬汽車は7月20日、大株主の中国第一汽車股フン有限公司が一汽海馬公司の株式49%、一汽海馬銷售公司の株式50%を無償譲渡すると発表。海南控股に譲渡することを明らかにした。それぞれの社名は、「海南海馬汽車有限公司」と「海南海馬新能源汽車銷售有限公司」に変更される。燃料電池自動車(FCV)のモビリティ運営会社を立ち上げる計画も打ち出した。
 海馬汽車は8月16日、FCVのモデル開発を終えたと発表。2025年までに2000台を試験的に運用すると予告した。海南島の東部(瓊海)、西部(タン州)、南部(三亜)、北部(海口)、中部(瓊中)には、それぞれ大型水素ステーションを整備するという。
 水素を触媒とした経営好転を期待材料に、海馬汽車の株価は、今年2月2日の安値2.43人民元から8月24日の6.96人民元に上昇した。時価総額も114億5000万人民元にまで拡大している。


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