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  ニュース     2021/12/13 18:00

中国:中央経済工作会議が閉幕、「安定」重視を強調 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国で10日、翌年の経済政策方針を決める重要会議「中央経済工作会議」が閉幕した。8日に始まった今回の会議では、2022年の経済運営について「安定が最も重要」との基本方針を確認。積極的な財政政策と緩和的な金融政策を継続し、新たな減税・コスト削減策を実施する考えを示した。国営メディアが伝えた。

 会議では足元の中国経済について、「需要の収縮、供給へのダメージ、見通しの悪化」という三重の圧力に直面していると指摘。経済の安定を図るために、新たな減税・コスト削減策によって中小企業を支援するほか、インフラ投資を前倒しで実施する方針などを確認した。金融政策については、「柔軟で適度に実施し、流動性を合理的な水準に維持する」としている。

 一方で、不動産政策については、「住宅は住むためのもので、投機の対象ではない」との文言を踏襲。この文言については、先ごろ開かれた中国共産党中央政治局会議で提起されなかったことから、不動産政策の転換が指摘されていたが、投機を抑制する基本方針は来年も堅持される見通しだ。ただ、「商品房(分譲住宅)市場が合理的な住宅需要を満たすことを支持する」との方針が盛り込まれ、実需を満たすよう不動産政策を部分的に修正するスタンスが示された。

 このほか、競争環境に関しては「資本に『交通信号』を設ける」と説明。「資本にポジティブな役割を発揮させる一方で、ネガティブな役割を効果的に管理する」とした。また、「法に基づいて資本の監督・管理を強化し、資本の野放図な膨張を防ぐ」とし、独占や不正競争を禁止する方針を改めて表明している。

 会議ではこのほか、格差是正を目指す「共同富裕」や「双炭」(2030年までのカーボンピークアウト、60年までのカーボンニュートラル実現)政策などにも言及。うち「双炭」を巡っては、エネルギー総量規制の対象に新エネルギーを含まない方針などが確認された。

 なお、中央経済工作会議では翌年度の国内総生産(GDP)成長率目標も議題に上るのが通例だが、その数字が公表されるのは翌年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)となる。これまでの報道によると、政府顧問は今年よりも低い「5〜5.5%」の水準を提言したもよう。今年の目標は「6%以上」だった。


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