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  ニュース     2021/11/16 18:00

中国:景気下振れ懸念やや後退、スタグフレーションには要警戒 無料記事

 中国の国家統計局が15日に発表した10月のマクロ経済指標では、消費と生産が市場予想を上回る着地となった。新型コロナウイルスの流行再拡大や電力不足を受け、市場では経済成長率の下振れが懸念されていたが、過度な懸念は緩和された形だ。ジェフリーズ証券は最新リポートで、向こう数カ月にわたり小売売上高の伸びが回復傾向を維持すると予想。これはコロナ禍の反動ではなく、中国経済のファンダメンタルズの改善を意味するものと指摘している。複数メディアが伝えた。
 統計局によると、10月の小売売上高は前年同月比4.9%増の4兆454億人民元(約72兆1420億円)。増加率は市場予想(3.7%)、前月実績(4.4%)をいずれも上回っている。また、鉱工業生産は前年同月比で3.5%増。増加率は市場予想(3.0%)を上回り、前月実績(3.1%)から加速した。
 ただ同時に、中国では不況下の物価高「スタグフレーション」への警戒感も高まる状況だ。統計局が先ごろ発表した10月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比で13.5%上昇し、約26年ぶりの高い伸びを記録した。統計局の付凌輝・報道官は15日、PPI上昇の要因について、「国際商品相場の上昇」と「国内の石炭、金属需給の引き締まり」を挙げている。
 ただ、付報道官は足元の中国経済について、「スタグフレーションの様相を呈している」ことを認めつつも、「短期的な要素が影響したもので、段階的なもの」と強調している。


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