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  ニュース     2021/09/21 18:00

中国GDP成長率、恒大危機で4.1ポイント下押しも=GS 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】ゴールドマン・サックス(GS)は最新リポートで、不動産デベロッパーの中国恒大集団(3333/HK)が直面するデフォルト(債務不履行)リスクによって、中国経済の成長が下振れする恐れがあるとの見解を示した。恒大がデフォルトに陥った場合、中国の金融業界、実体経済に影響が及ぶと指摘。中国の国内総生産(GDP)成長率は、最悪のケースで4.1ポイント下押しされると試算している。香港経済日報などが21日伝えた。
 GSのアナリストは、負債規模の大きいデベロッパーの株価が足元で大きく下落している点に言及。このことは、恒大の抱えるリスクが拡散されていることを意味すると指摘した。
 恒大リスクによる中国経済への影響については、保守的な予想でGDP成長率1.4ポイントの押し下げが見込まれると分析。さらに状況が悪化すれば2.5ポイント、最悪の状況下で4.1ポイントの成長率下振れが予想されるとした。
 一方でシティグループは、恒大リスクが「中国版リーマンショック」に発展することを防ぐため、中国政府が何らかの行動に踏み切ると予想。ただ、一部の銀行が「いけにえ」となる可能性があるとした。その上で、デベロッパー向け融資で見た場合、中国民生銀行(1988/HK)、中国光大銀行(6818/HK)、平安銀行(000001/SZ)の信用リスクが最も大きいと指摘。半面、中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)、重慶農村商業銀行(3618/HK)、南京銀行(601009/SH)が最もダメージを受けにくいとしている。
 なお、市場では恒大集団の今後のシナリオとして「経営破たん」「管理された倒産」「政府による救済」の3つが想定されているが、政府救済の可能性は低いと指摘されている。足元では、格付け機関や証券会社による恒大集団の評価引き下げが相次いでおり、デフォルトの可能性が高まっている。


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