中国のインターネット検索最大手、百度集団（バイドゥ：9888/HK）は16日、人工知能（AI）チャットボット「文心一言（ERNIE Bot）」を発表した。利用契約を結んだ企業などへのテスト利用をこの日開始し、その後一般公開する予定だ。百度がSNSの公式アカウントで明らかにした情報によると、16日の発表会から1時間以内に、「文心一言」企業版テストサービスへの利用申し込みは3万社余りに達した。申し込み先となる「百度智能雲」サイトのトラフィックは100倍に急拡大しているという。経済通など複数メディアが17日伝えた。

　16日の発表会には、百度の創業者で董事長兼CEO（最高経営責任者）の李彦宏氏が出席。李氏は文心一言について、現時点で「完璧であるとは言えない」と述べた。この発言に加えて、一般公開の時期が明らかにされなかったことなどから、16日の香港株式市場では百度の株価が急落した。

　ただ、17日には株価が急反発。冒頭で触れたように、産業界からの「文心一言」への関心は高いようだ。また、シティグループのアナリストは、「文心一言」の性能を試してみたところ、完璧ではなかったものの、複雑な質問や不条理な問い掛けに回答することができたと指摘。中国の専門家の間でも「現時点で完全ではなくても、中国インターネット業界の能力を示すものとして、マイルストーン的な意義を持つ」と前向きに評価する声が目立つという。


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