【亜州ビジネス編集部】イタリア・ミラノの保健当局は12月28日、中国からの航空便2便の乗客の約半数が新型コロナウイルス検査で陽性だったと報告した。この事態を重視し、イタリア政府は中国から到着する航空便の全乗客に対し、検査を義務付けると表明している。香港経済日報が29日、外電報道をまとめる形で報じた。
　ミラノがあるロンバルディア州の保健当局によると、中国発ミラノ・マルペンサ空港行き航空便の乗客62人のうち35人の陽性が確認された。別の便でも、乗客120人のうち62人の陽性が確認されたという。
　イタリアのスキッラーチ保健相は、国民を守るために検査の義務化は必要な措置だと説明。陽性となった旅客への具体的な対策について、保健相は言及しなかったものの、ロンバルディア州の関係者などは、当局指定の建物に隔離する必要があるとしている。
　スキッラーチ保健相によると、現地当局は今回の検査結果のゲノム解析に着手済み。新たな変異株が検出された場合、中国からの渡航に厳しい制限を課す可能性もあるという。
　イタリアは2020年初めに、欧州で最初に新型コロナ感染が深刻化した経緯がある。イタリアだけでなく、米国や台湾も中国からの渡航者に到着後の検査を義務付けるなど、対策を強化中だ。「ゼロコロナ」政策が事実上終了した中国からの感染者流入を警戒している。


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