【亜州ビジネス編集部】香港メディアの星島日報によると、新型コロナウイルスの防疫対策が見直されて以降、中国の首都・北京市では親類や友人が感染したと語る住民が急増している。ただ、北京市当局は「感染者は減少している」として、8日の感染者が1万6000人にとどまったと発表。中国紙・環球時報の前編集長、胡錫進氏は「公式発表は事実とは大きく隔たっている」と指摘した。
　中国新聞網によると、北京市救急センターの陳志・主任医師は10日、救急車要請の「120」番に最近、出動要請の電話が殺到していることを明らかにした。1日当たり3万件に達し、すでに能力の限界を超えたという。
　感染者の急増を受け、市内の各医療機関は極めて深刻な状況に直面。北京朝陽病院・京西院区の発熱外来では、深夜も長い行列ができているようだ。妊産婦や車いすの高齢者、20代の若者もいるという。
　胡前編集長は、北京市の1日当たりの新規感染者は公式発表を上回っており、上海市の今年春のピーク時の規模を上回るとの見方を示した。胡氏は「データを改めるか、いっそ発表を停止するべきだ」と述べている。


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