詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

  ニュース     2023/02/09 12:51

チャットボット関心高まる、中国AI中核産業は9.8兆円規模 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】大手企業が投入したチャットボット(自動応答システム)に関心が集まるなか、中国でもAI(人工知能)技術に関する注目度が急速に高まっている。世界のAI関連技術分野では、中国は最上位にまで躍進した。産業規模、特許、論文数、企業数などで他国を圧倒している。経済参考報などが9日付で伝えた。
 中国信息通信研究院(工業情報化部電信研究院)によると、2022年の中国AI中核産業は、前年比18%増の全国5080億人民元(約9兆8040億円)規模に拡大している。社会や経済の発展に向けて、多様な領域に応用されるようになった。経済成長のけん引役を担う。科学技術を活かした異業種進出、産業構造のグレードアップ、生産効率の引き上げなどが実現させた。
 全世界のAI論文数は、2012年〜22年9月にかけて合計100万本を超えている。うち28%は中国の研究者が記した。全体に占めるハイレベルAI論文比率は、中国で12年の20.36%から21年の50.71%に拡大している。AIに関する世界の特許 約25万件のうち、中国人研究者は60%を取得した。
 AI関連企業の新設も、過去10年にわたって中国で増え続けている。22年の起業数は、前年比で18.55%も拡大した。また、世界AIユニコーン168社のうち、22年11月末時点で中国の2社がトップ10社に食い込んでいる。
 スマートICチップ、オープンソース・ソフトウェア (OSS) などでも技術的なブレークスルーを達成した。これらの成果を活用したことで、携帯端末、ロボットなどの性能を急ピッチに高めている。
 AI技術は情報・通信分野で最速で普及中だ。直近では、米オープンAIが投入した「ChatGPT」が人気。サービス投入2カ月で登録ユーザー数が2億人の大台を突破した。中国信息通信研究院の資料でも、自然言語処理、スマート音声、チャットボットなどヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)の各事業分野向け投融資が増えている実態が紹介された。全世界を対象とする22年投融資のうち、HCI向けの比率は19%にまで拡大したという。
 マイクロソフト傘下のオープンAIは、大規模言語モデル「GPT-3(Generative Pretrained Transformer 3)」を開発。「ChatGPT」として新たに提供開始した。
 中国企業も類似サービスの投入、または開発に乗り出している。IT大手3社の百度(BIDU:9888/HK)、騰訊HD(TENCENT:700/HK)、阿里巴巴集団HD(BABA:9988/HK)などが人工知能生成コンテンツの研究を加速した。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース