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  ニュース     2022/12/19 13:55

中国:第4世代原子炉開発、福建寧徳で60万kW稼働へ 無料記事

 中国が第4世代原子炉(GEN-IV)の開発を加速している。第4世代原子炉の有望技術とされる6種類(ナトリウム冷却高速炉、高温ガス炉、ガス冷却高速炉、鉛合金冷却高速炉、超臨界圧軽水冷却炉、溶融塩炉)のうち、中国はナトリウム冷却高速炉(SFR)と高温ガス炉(HTGR)の分野で世界先進の技術を確立した。うちナトリウム冷却高速炉は、福建省で建設計画が進められている。証券時報が18日付で伝えた。
 中国では、2010年7月にナトリウム冷却プール型高速炉の実験炉「CEFR」(熱出力6.5万kW、電気出力2万kW)が初臨界を達成している。ロシアの技術支援を受け、北京近郊の中国原子力研究所(CIEA)に設置した。減速材を用いず、液体金属ナトリウムを冷却材として使う。
 17年12月29日には、福建省寧徳市の霞浦県長表島でプール型ナトリウム冷却高速中性子実証炉「CFR-600」を着工。電気出力60万kWで2023年の稼働を目指している。
 一方、高温ガス炉でペブルベッド型高温ガス冷却炉の実証炉「HTR-PM」は、21年9月に山東省・栄成市寧津鎮(青島市の北東230km)の石島湾で初臨界に達した。「華能石島湾高温気冷堆核電站示範工程」の第1期事業プロジェクトは発電能力20万kW。今年12月9日にフル稼働を達成した。
 第4世代原子炉技術は米国、ドイツ、日本、ロシアも開発を進めているものの、これらは足元で研究段階に過ぎない。中国は世界で初めて実証炉運転に乗り出した。
 中国国務院は今年に入り原子力発電事業プロジェクト5件(原子炉合計10基)の着工を承認している。これらの投資額は2000億人民元(約3兆9000億円)近くに膨らむ見込みだ。


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