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  ニュース     2023/03/31 13:25

アリババ、6分割後に一部事業の支配権放棄を検討か 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】このほど会社の6分割計画を発表した中国EC大手、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)は将来的に、主要事業の一部の支配権を段階的に放棄することを検討するもようだ。アリババ・グループ全体の会長兼CEOを務める張勇(ダニエル・チャン)氏が3月30日の電話会議で「アリババ(グループ)は今後、事業会社というよりも資産運用会社の性質を帯びるだろう」との見解を示したほか、最高財務責任者(CFO)の徐宏(トビー・シュー)氏が「(分割後)上場させた後、これら企業の戦略的重要性を引き続き評価し、支配権を維持し続けるかどうかを決める」とコメントしている。
 アリババは今週28日、会社を6つのビジネスグループに分割し、それぞれ独自の最高経営責任者(CEO)と取締役会によって経営する事業再編計画を発表した。会社側の説明によると、この組織再編は「全てのビジネスをより機敏にし、意思決定力を強化し、市場の変化に迅速に対応できるようにするため」。本体が完全所有するEC事業部門を除き、残り5つのビジネスグループはそれぞれ独立した事業体として、外部からの資金調達やIPOを独自に模索することができるようになるという。
 ブローカーの間では、アリババの6分割計画を好意的に受け止める向きが多い。例えばJPモルガンは最新リポートで、中長期的な株価上昇を見込み、ADR現値のほぼ2倍に相当する210米ドルの目標株価を設定。「投資家への短期的なセンチメント改善の観点でいえば、アリババの再編はグーグルがアルファベットに組織改編したようなもの」と形容した。また「再編は中長期的にビジネスのファンダメンタルズや株価に大きなプラスの影響を及ぼす可能性があると考える。SOTP分析によると、1株当たりの株価が210米ドル/205香港ドルに達する可能性がベストシナリオとして示された」と述べた。


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