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  ニュース     2022/10/31 18:00

中国ファウンドリSMIC、米新規制で技術向上に暗雲 無料記事

 中国ファウンドリ最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)に関して、米国の対中半導体新規制によって技術向上が大きく阻害されるとの観測が出ている。2021年から7ナノメートル(nm)プロセスのASIC(特定用途半導体)を米国顧客に少量供給しているが、米国由来の技術による支援がなければ、大規模な量産は今後10年、またはそれ以上の期間でも不可能になると識者は指摘している。10月29日付台湾・自由時報などが報じた。
 米シンクタンク、バーグルエン研究所の上級アナリスト、ジョーダン・シュナイダー氏が27日付のリポートでこうした見方を伝えた。また、米国半導体工業会(SIA)の技術政策担当ディスレクター、エリック・ブレッケンフェルド氏も、仮に十分な資金力があったとしても、米国や日本、欧州連合(EU)のサプライヤーと顧客の支援がなければ、極端紫外線(EUV)露光技術を自力で確立するには少なくとも10年間を要するとの認識を示した。
 米国籍・永久居留資格保有の中国半導体企業での就業が許可制になった点も、SMICにとって大きな打撃となる。同社で働くエンジニアの3分の1が外国籍で、大部分が米国籍保有者のためだ。
 こうしたなか台湾では、SMICの7nm開発を主導した台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)出身の梁孟松・SMIC最高経営責任者(CEO)の進退に関心が集まっている。既に70歳のため、米国の規制強化を機に離職しても不思議ではないためだ。
 中国メディアによると、国内半導体企業20社には米国籍を保有する幹部が37人在籍している。また、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)では、上場16社に少なくとも43人いると報じた。大部分がシリコンバレーの半導体企業での勤務歴を持ち、一部は2008年に始まった中国政府の「千人計画」で帰国した。中国で半導体企業を創業したり、董事長職にある人物も少なくない。


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