ファウンドリ世界最大手、台湾積体電路製造（TSMC：2330/TW）が大阪市内に日本2カ所目の研究開発（R＆D）拠点を設置するとの外電報道について、同社は5日、大阪に設置するのはR&D拠点でなく、TSMCジャパンデザインセンター（JDC）の新事務所であり、営業拠点として使用すると説明した。台湾・工商時報が6日報じた。

　これについて半導体産業アナリストの陳子昂氏は、日本の車載半導体市場をさらに開拓するための一環と指摘した。TSMCの日本進出には◆顧客に近い場所でのサービス、◆重要設備と材料の調達、◆研究開発（R&D）能力の養成、──の3つの目的があるとしている。

　日本は車載半導体の需要が非常に強いものの、東芝（6502/東証）、ソニー（6758/東証）、ルネサス・エレクトロニクス（6723/東証）、キオクシアなどの半導体生産企業は大規模な生産設備を持っていない。このためTSMCによる現地供給には大きな需要がある。TSMCの今回の動きによって、同社を通じて自動車生産大国としての実力をさらに高めようとする日本の姿勢が印象付けられたとしている。

　陳氏はまた、TSMCにとっては、SUMCO（3436/東証）や昭和電工（4004/東証）などの材料メーカーと近い場所で取引できるメリットも生まれると指摘した。


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