中国のインターネット上で9日、洋服のモデルをしていた女児が成人女性に腰あたりを蹴られる様子を撮影した動画が拡散。視聴者からは「虐待ではないか」と批判の声が上がっている。北京青年報が12日付で伝えた。
　その後の調べで暴力を受けていたのは浙江省杭州市でキッズモデルを務める3歳の女児で、成人女性は実の母親であることが判明。杭州市の女性団体、婦女連合会は現在、母親によるこの女児に対する家庭内暴力が日常的にあったかどうかを調べている。
　母親は動画が拡散し、批判を受けた後、「当時は娘をモデルとして洋服の撮影をしていたが、娘が言うことを聞かなかったため思わず蹴ってしまった」との声明を発表。「子供を利用して金儲けをしているのではないか」との疑問に対しては、「夫も仕事をしており、家族が娘の収入だけに頼っていることはない」と否定した。
　中国では2016年に始まった「二人っ子政策」の影響もあって子供用衣類の需要が増加しており、ネット通販を中心にキッズモデルが活躍する場が増えた。あるキッズモデル仲介サイトによると、商業用撮影の場合、キッズモデルの収入は洋服1点当たり100人民元（約1700円）前後が相場。1日に多い場合では100着を着替えて撮影するため、1カ月当たりの収入は2万〜3万人民元（約33万〜50万円）、人気モデルの場合には「1年間で家が買えるほど」の稼ぎになる。
　今回の動画拡散騒動の場合、モデルの子どもが3歳だったことから、「10歳未満の子供を広告に登場させてはならない」との広告法の規定に違反し、広告代理店が広告費と同額以上、3倍以下の罰金を科される可能性がある。


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