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  ニュース     2020/11/20 19:59

中国:コールドチェーン物流強化、22年までに浙江省で1.58兆円投資 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国の各地方政府がコールドチェーン(低温物流体系)の構築を積極化している。沿海部の浙江省では、2022年までの投資額について、物流産業全体で1000億人民元(約1兆5800億円)に積み上がるとの見方を示した。管理にデジタル技術を導入することで、効率的な運用を実現させる意向という。
 浙江省政府はこのほど、「冷鏈物流創新発展3カ年行動計画(2020〜22年」を公布。22年末時点の目標を提示し、コールドチェーン基礎インフラの改善、冷凍・冷蔵倉庫の容量1530万立方メートル達成、冷凍・冷蔵車両の5300台保有を挙げた。現時点の状況は、各種冷凍・冷蔵倉庫658カ所で総容量1007万立方メートル。コールドチェーン物流企業300社あまりが食品類、医薬類、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)などを手掛けている。
 浙江省はコールドチェーン整備が遅延してきた。住民1人当たり冷凍・冷蔵倉庫の容量はわずか0.17立方メートルに過ぎない。自動車を利用した物流のうち、冷凍・冷蔵トラックの比率は0.3%に満たないのが現状だ。
 4段階(基幹基地、物流園、仕分けセンター、配送網)のコールドチェーン網を築く。食品工場を起点とした冷凍・冷蔵を実現するよう求めた。エリアの規模に応じ、市街地で30分配送圏、都市部で1時間配送圏、農村部で3時間配送圏を整備する。各種品目のコールドチェーン導入率に関し、青果で25%、食肉で40%、水産物で55%以上に引き上げるという目標を設定した。
 高度なデジタル化管理体系も構築する。冷蔵・冷凍倉庫とコールドチェーン配送の7割について、温度・湿度監視システムを導入するよう指導。トレーサビリティー(生産流通履歴)も実現する。
 コールドチェーンの規模は、中国で拡大を続けている。交通運輸部の資料によると、2015〜19年にかけた国内市場の規模は、年率平均10%以上のペースで成長した。年間の輸送貨物総量は、15年の概算1億5300万トンから19年の2億3300万トンに拡大している。コールドチェーン物流網を利用した食品の価値は、19年に総額6兆人民元まで膨らんだ。前年比で24.7%の伸びを記録している。
 一報、業界団体の中物聯冷鏈物流専業委員会によると、中国全体の冷凍・冷蔵車保有は、19年時点で全国21万4700台を数える。前年比で19.3%も増加した。総容量は15.6%増の6052万5000トンに伸びたという。


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