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  ニュース     2021/02/26 19:00

中国:非鉄金属そろって上値追い、NEVや太陽光で実需拡大 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】非鉄金属を中心に、商品市況の上昇が目立っている。経済活動の回復、新エネルギー自動車(NEV)製造向けの需要増、太陽光発電部材の増産などが追い風だ。銅の先物価格は、1年近くで約2倍に跳ね上がっている。中国証券網が2月25日に伝えた。
 上海期貨交易所(上海商品先物取引所)に上場する銅先物の中心限月は、2020年3月23日に年間最安値のトン当たり3万5170人民元(約57万5000円)にまで下落したものの、その後は反発基調が続いている。今年2月23日の取引価格は、引け値ベースで6万8000人民元近くまで上昇し、20年3月23日以来の値上がり率が累計で93.20%にまで拡大した。
 上海に上場する各非鉄金属の先物価格は、21年の年初来累計値上がり率が銅で17.42%、ニッケルで17.15%、錫で25.92%に達している。このほか上海市場の銀先物は20年に27.28%上昇し、21年も年初来の値上がり率が3.53%に上った。
NEV向けの需要拡大が意識されている。自動車業界団体の中国汽車工業協会によると、今年1月の中国NEV販売は、前年同月比238.5%増の17万9000台に拡大し、1月としては過去最多を記録。うち電気自動車(EV)は287.8%増の15万1000台、プラグインハイブリッド車(PHV)は104.7%増の2万9000台に伸びたという。
 動力電池材料となるリチウムの相場も動意付いた。中国の炭酸リチウム価格は20年10月下旬から上昇基調が定着。トン当たりの価格は、4万2000人民元から足元の7万9000人民元まで88%も上昇した。コバルトに関しても、先週は6.3%値上がりし、トン当たり33万9000人民元に達している。
 太陽光発電、半導体チップ、5G通信などに必要な錫も品薄だ。ロンドン金属取引所の錫先物価格は、年初来の上昇率が2月23日時点で31.26%にまで拡大している。


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