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  ニュース     2024/06/13 12:58

EU追加関税でBYD利益1~3%減、影響は限定的=CLSA 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】欧州連合(EU)の欧州委員会は12日、中国製の電気自動車(EV)に対し、暫定的に追加関税を課す方針を明らかにした。中信里昂(CLSA)は最新リポートで、比亜迪(BYD:1211/HK)の2024年利益に対する直接的な影響は5億~10億人民元(約110億~220億円)になると予想。利益全体の1~3%を占める規模で、総じて影響は限定的とみている。香港メディアが13日伝えた。

 CLSAによると、BYDに対する追加関税率(17.4%)は市場予想を下回る水準だった。追加関税に対しては、値上げやディーラー販売奨励金の減額などの方法を通じて対処する可能性があるという。

 CLSAはまた、BYDのハンガリー工場が稼動すれば、関税の影響を大幅に低減できるとも指摘している。

 このほかUBSも、BYDが追加関税による影響をコントロールできるとの見方だ。その理由として、BYDが同業他社に比べてコスト優位性が高い点に言及している。一方で上海汽車集団(SAIC:600104/SH)については、欧州での競争力が大幅に損なわれることになると指摘した。

 欧州委員会の発表によると、現行10%の税率に上乗せされる暫定関税はBYDで17.4%、吉利汽車(175/HK)で20%、上海汽車集団で38.1%となる。他の企業は調査への協力度合いで税率が異なり、調査に協力した企業は21%、応じなかった企業は38.1%に設定された。中国メーカーだけでなく、中国で生産した車両を欧州に出荷するテスラやBMW、ルノーなど欧米メーカーにも追加関税は適用される形。中国当局との協議で状況が改善しない場合、早ければ7月4日にも課税が開始される。


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