白酒（中国の蒸留酒）最大手の貴州茅台酒（貴州マオタイ：600519/SH）が16日、米マース・インコーポレイテッドとのコラボレーションで投入したチョコレートが話題を集めている。貴州マオタイの直営オンラインストアや「天猫（Tモール）」などのオンラインチャネルでは、発売からわずか1分ほどで完売。貴州マオタイのアイスクリーム店など、オフラインチャネルでも十数分で売り切れとなったようだ。財聯社が同日付で伝えた。
　一方で中新財経によると、貴州マオタイは第1陣の販売数を明らかにしていないが、市場では希少性で需要を刺激する「ハンガーマーケティング（Hunger marketing）」の一種ではないかと指摘する声もあるようだ。すでに現地のインターネット上では同商品の転売が始まっており、定価179人民元（約3600円）の12個入り商品が約500人民元の高値で取引されているケースも見られるという。
　今回の商品は貴州マオタイがマースの「ダブ（Dove）」ブランドとコラボしたもので、白酒を詰めたボンボン・ショコラ。報道によると、「オリジナル」と「低糖」の2種類があり、「低糖」で2個入りが39人民元、6個入りが109人民元、12個入りが179人民元という価格設定だ。最低でも1個当たり15人民元（約300円）となる計算で、一部の消費者の間では「高すぎる」との声も聞かれるという。
　一方、貴州マオタイの丁雄軍・董事長は16日の発表会で、中国の老舗企業の一つとして生き残りを図るには「企業生命力」を延ばす努力が必要で、そのためにもZ世代を取り込む必要があるとコメント。これまでにアイスクリーム、コーヒー、チョコレートなどを投入してきたが、足元で「＋マオタイ」製品の開発はひとまず一段落したと説明している。


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