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  ニュース     2023/11/29 16:15

ピン多多の時価総額がアリババに肉薄、馬氏は異例のコメント 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】決算の好調を受け、28日の米ナスダック市場で中国の電子商取引(Eコマース)大手、ピン多多(PDD/NASDAQ)の株価が急伸した。これにより、ピン多多の時価総額は1847億米ドル(約1兆4400億香港ドル=約27兆円)に拡大。同業最大手である阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)の1947億米ドル(約1兆5200億香港ドル)に迫る勢いとなった。同じく同業の京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD/NASDAQ)は時価総額443億米ドル(約3454億香港ドル)という水準で、ピン多多はすでに同社を大幅に上回っている。香港メディアの星島日報が29日伝えた。
 ピン多多が28日発表した2023年第3四半期(7~9月)決算は、売上高が前年同期比93.9%増の688億4037万人民元(約1兆4320億円)、純利益が46.7%増の155億3712万人民元に拡大。売上高、純利益ともに市場予想を大きく上回る好結果となっている。
 これに対し、アリババの7~9月期売上高は前年同期比8.5%増の2247億9000万人民元、京東の同期売上高は1.7%増の2476億9800万人民元だった。ピン多多は売上高の規模では両社となお差があるものの、増収率は両社を大幅に上回っている。
 ピン多多の高成長は、欧米やアジア向けに展開する「Temu(ティームー)」の好調が一因だ。「Temu」は足元でプロモーションや割引キャンペーンなどを展開し、認知度が高まっている。中国の越境EC「SHEIN(シーイン)」や米アマゾン(AMZN/NASDAQ)から、価格に敏感な顧客層を奪っている状況だ。
 こうした中、アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が29日、ピン多多を見習うよう自社従業員に促したと外電が報じている。社内フォーラムへのスタッフ投稿に返答したもので、会社に対しては抜本的な変革に着手するよう呼びかけた。2020年以降、馬氏は会社の業務とは一線を引いており、こうしたコメントを行うことは珍しいという。
 馬氏はまた、「偉大な企業は冬に生まれる」とコメント。「人工知能(AI)時代は始まったばかりで、全ての人に機会と挑戦をもたらす」と指摘した。


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