ニュース 2023/10/26 09:29
香港:悪天候時の株取引継続、24年実現めざす
台湾・香港
【亜州ビジネス編集部】香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は25日の施政方針演説で、台風などの悪天候時にも香港交易所(香港証券取引所:388/HK)での証券取引を継続させる方針を表明した。政府関係者によると、2024年台風シーズンの実現を目指す方針だ。ただ、証券会社の取引参加を義務付けないことも検討する。今後6カ月で意見聴取を行う予定という。現地メディアの明報が26日伝えた。
香港の現行規定では、台風警報「シグナル8」や暴雨警報「黒色暴雨警告」が発令された場合、証取の取引が停止される。世界の金融ハブで、香港のように悪天候時に取引を停止するケースは珍しい。こうした取引停止規定は「時代遅れ」になりつつあると指摘されているほか、気候変動による異常気象がより一般的になるにつれて、取引所の利便性を下げる恐れがある。実際、今年9月に台風と暴風雨により2週連続で株式取引が中止されたことで、この問題に関する議論が急速に高まった。
ただ証券業界からは、小規模な証券会社ではシステム面での対応が難しいとの指摘や、現場スタッフの安全を懸念する声も聞かれる。こうした指摘について政府関係者は、決済方法などを巡り、証取や銀行が各証券会社と積極的に協議を進めていると説明。最終的には、円滑な取引運営を確保できるとの考えを示した。
一方、香港証券先物専業協会(HKSFPA)の陳志華氏は、悪天候時の取引継続は証券業界の第一線で働く人員の権利と安全に関連するものだと指摘。投資家と証券会社にとっては信用リスク、市場リスク、流動性リスク、運営リスクなどが懸念されるほか、証券各社のコスト増にもつながると強調した。その上で、現場のリスクやコストを増大させることなく、同措置を実施するための現実的な方法をより深く議論していく必要があると訴えている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
香港の現行規定では、台風警報「シグナル8」や暴雨警報「黒色暴雨警告」が発令された場合、証取の取引が停止される。世界の金融ハブで、香港のように悪天候時に取引を停止するケースは珍しい。こうした取引停止規定は「時代遅れ」になりつつあると指摘されているほか、気候変動による異常気象がより一般的になるにつれて、取引所の利便性を下げる恐れがある。実際、今年9月に台風と暴風雨により2週連続で株式取引が中止されたことで、この問題に関する議論が急速に高まった。
ただ証券業界からは、小規模な証券会社ではシステム面での対応が難しいとの指摘や、現場スタッフの安全を懸念する声も聞かれる。こうした指摘について政府関係者は、決済方法などを巡り、証取や銀行が各証券会社と積極的に協議を進めていると説明。最終的には、円滑な取引運営を確保できるとの考えを示した。
一方、香港証券先物専業協会(HKSFPA)の陳志華氏は、悪天候時の取引継続は証券業界の第一線で働く人員の権利と安全に関連するものだと指摘。投資家と証券会社にとっては信用リスク、市場リスク、流動性リスク、運営リスクなどが懸念されるほか、証券各社のコスト増にもつながると強調した。その上で、現場のリスクやコストを増大させることなく、同措置を実施するための現実的な方法をより深く議論していく必要があると訴えている。
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