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  ニュース     2024/03/13 18:01

BYD海外販売40万台目標は達成難か、需要の伸び鈍化など重し 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国の自動車大手、比亜迪(BYD:1211/HK)の一部幹部は、2024年に40万台(前年比↑65%)の海外販売を目指す自社目標の達成が難しいとみている。23年の海外販売は24万2800台だった。世界的に電気自動車(EV)の販売が鈍化していることに加え、BYD独自の問題も影響するためだ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が12日伝えた。
 BYDの幹部らは、市場需要の低迷や高すぎる価格設定、品質管理、市場シェアの獲得ペースに関する社内の対立に言及した。BYDは世界のEV市場で大躍進を遂げているが、販売台数の伸びは大部分が国内市場によるものだ。
 WSJの報道に対し、BYDの担当者は「事実と異なる」とコメントしたが、詳細には言及していない。同担当者はまた、EVの輸出開始からまだ2年しか経過しておらず、海外事業の今後の展開に自信を持っていると強調した。
 BYDを巡ってはこれまで、多数の消費者に影響を及ぼすような深刻な品質問題が起きたことはない。ただ、世界各地で乗用車や商用車に絡む事故が報告されている状況だ。例えば今年1月には、ロンドンでBYD製バスが炎上したため、英当局は約2000台のバスをリコールした。人的被害は出ていない。日本では車両にへこみや傷、タイでは塗装やプラスチックの剥がれなどの問題が報告されている。
 BYDの関係者によると、中国国内の経営トップが設定する世界的な販売目標は、地域ごとに現地の責任者に伝えられ、各市場の現状を織り込んでいないことが多いという。


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