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  ニュース     2023/11/29 17:27

中国がベトナム電力市場に熱視線、売電や太陽光に商機 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】新エネルギー分野を中心に、中国はベトナムの電力市場に重大な関心を寄せている。中国とベトナムのエネルギー協力は歴史が長い。両国間の送電作業は、7年ぶりに今夏再開されている。21世紀経済報道が29日付で伝えた。

 異例の高温に見舞われた今年4~5月、冷房需要が拡大したベトナム各地は計画停電に見舞われた。中国南部の広西チワン族自治区は5月23日、ベトナム当局と売電契約を締結。深溝(広西チワン族自治区城港市)とモンカイ(ベトナム北部クァンニン省)を結ぶ110kV越境送電インフラを活用し、中国の電力を売却開始した。

 こうしたなか、中国のソーラー発電関連企業は、ベトナム投資が「黄金期」を迎えたと歓迎している。中国のソーラー発電関連企業は、すでに2014年時点でベトナムで生産ラインを相次ぎ稼動させた。ベトナム北部のバクザン省とバクニン省には12社が進出。天合光能(Trina Solar:688599/SH)、晶澳太陽能科技(JA Solar:002459/SZ)などの業界グループ大手が総額20億米ドル(約2940億円)以上を現地投資した。合わせた年産能力は太陽光発電モジュールが30GW(3000万kW)超、太陽電池が25GW超に上る。ベトナム最大の太陽光発電産業クラスターを築いた。

 また、ベトナムは中国製ソーラー太発電製品の重要な輸出先。20年4月にはソーラー発電モジュールの輸出額ランキングトップ10に入り、国別4位にランクインした。23年1~7月のソーラー発電用シリコンウエハー輸出先で国別首位。7カ月のベトナム向けソーラー発電用シリコンウエハー輸出額は、前年同期比16.15%増の7億8100万米ドルに達し、中国のソーラー発電用シリコンウエハー輸出全体に占める比率が25.4%にまで拡大した。

 ベトナム一国だけでなく、クリーンエネルギー電源の開発は東南アジア諸国連合(ASEAN)にとって大きな課題だ。25年までの目標として、ASEANはエネルギー構造のうち再生可能エネルギーの割合を23%に高めるよう求めた。良好な日射条件を擁するASEANは、ソーラー発電に適した地域でもある。

 ベトナムの発電分野でクリーンエネルギーは、ASEANのリーダー的な存在だ。ベトナム産業貿易省のデータによると、ベトナム発電市場の総設備容量は20年末時点で約69.3GWで、うち燃料として石炭を使用する発電が約30%、水力発電が30%、ガス発電と燃油発電が合計で13%を占め、水力を除く再生可能エネルギー発電が27%。再生可能エネルギー発電27%の内訳は、太陽光が25%、風力が1%、バイオマスが1%の比率だ。


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